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僕は、ただ真実を話しただけ

愛媛県警巡査部長
仙波敏郎 氏
仙波 それでも僕は、これほど大きな出来事になるとは思っていませんでした。
東 僕はこういう騒ぎになると思ってたよ。予想通りだった。
仙波 そうか。僕は、ただ「今までこういうことがありましたよ」と真実を話しただけじゃないか。「僕は領収書を書きませんでした」と。
運営者 自分がやったこと、やらなかったことをお話しされただけなんですね。
仙波 僕の知る範囲では捜査費(国費)、捜査報償費(県費)はほとんど裏金にされてきた。これらの多くは、捜査に協力してくれた人への謝礼ということになっているんですがね、実際に協力者に渡したという話は聞いたことがない。僕の知る刑事課長たちは、裏金から毎月、5万円10万円もらって、「わしはその金で課員に飲食させてきただけで、着服はしとらせんで」と言い訳するから、「それは違うで。裏金をもらった以上、どう使おうがあなたの責任になるんですよ」という話をしてきましたよ。
不正に作られた裏金だということですよ。どのような使い方をしたかが問題なのではない。不正について僕が話したからといって、なぜ、ペナルティーが科せられるのかと思っていますから。この反響の大きさは、今でも信じられない気持ちですよ。想像を超えていた。
運営者 なるほどね。
仙波 それから僕は、定期異動で絶対に、遠隔地、例えば離れ小島に飛ばされると思っていました。そういうところの駐在ににね。
魚島というところがいちばん不便なんです。駐在所がひとつあるだけで、橋もないし、定期便もあまりないし。何かあったら「魚島に飛ばされる」というのが、われわれの仲間内の一種のジョークでした。
東 仙波は目の届くところに置いて、監視する必要があると上層部は思ったんだろうなあ。でも、もし魚島にでも飛ばされていたら、身動きはとれんかったな。
仙波 ほんとですよ。県警は3月の定期異動まで待てなかったんですね。定期異動に紛れ込ませて飛ばしてしまえばよかったものを。
運営者 どうしてそれが読めなかったんでしょうかね。不思議ですね? まあ、監視さえしておけばたいしたことにはならないだろうとタカをくくったんでしょう。読み筋が外れたということですよ。
ところでここから問題の本質に入りたいのですが、愛媛県警では着々と裏金をつくって、それを上層部の連中が着服して、その一方で犯罪を厳しく取り締まれと号令をかける。そのことに矛盾を感じないのはなぜだと思われますか?
仙波 長いものに巻かれてしまったんでしょうかね。組織の中に入って、一人でどんなに正義を振りかざしても、通らないことがある、適当にやってりゃいいんだというところがある、それが体に染みついてしまっているんでしょうか。「現実と理想は違うよ」と、よく言われますからね。
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